先日、お会いさせていただいた、トーマスさんとの、お話の中で「日本はハゲワシの様です」とおっしゃられていたお話が、とても印象に残りました。
日本はみんなが一緒でなければ、少しでもみんなと違うと言うだけで、大勢で寄ってたかって、攻撃の対象にされてしまうと言うお話でした。
その考え方が、社会に差別や偏見として見た目問題となり現われているとの事でした。
人間は、ひとりひとり違うのが当たり前なのに、日本にいると「みんな一緒」と言う事を重んじる社会構造になっています。
例えば、お話はかなり反れますが、お野菜ひとつとっても、きゅうりは「真っすぐ」でなくてはならない!と言って、消費者も「真っすぐなきゅうり」を探す。
でも、本来、自然になるものだから「曲がっていても、きゅうりは、きゅうりなんです」なのに、曲がったきゅうりを販売する時には「訳あり」と言う事で安く売られています。
どちらも味は同じなのに「見た目」にこだわってしまうあまり「きゅうりは真っすぐでなくてはならない」と言う固定観念が植え付けられています。
曲がったきゅうりを「訳あり」にすること自体おかしなはなしで、逆に真っすぐにするために、透明なプラスチック製の真っすぐ育つ様に作られたケースに入れて育っている、きゅうりの方が私からすれば、人間の都合や見た目と流通コストのためだけに無理矢理に真っすぐに育てられた「訳あり野菜」に思います。
話を戻して、人もみな違います。
みんな何もかも一緒なんて、逆におかしな話で日本は人に限らず何から何まで「見た目にこだわり過ぎる社会」なんだと思います。
トーマスさんが日本に来て、日本の子供たちの反応に、とても心を傷めたそうです。
それは私たちアルビノ当事者の中にも多くのみなさんが経験したと思いますが「ガイジン」と指をさされて言われる事です。
「ガイジン」と「外国人」は違います。
「ガイジン」と言ういい方は、あきらかに差別をしています。
子供が言っていても、それを見ている親は何も言わないです。
その親も、その言葉が差別していると言う事にすら気がつかない親も多いです。
トーマスさんが日本に来て、経験した事は私たちアルビノ当事者や見た目当事者の経験してきたこと、トーマスさんが「日本はハゲワシの様だ」と言った言葉を聞いて、改めて日本と海外の違いに気がつきました。
海外のアルビノ当事者さんは「見た目問題」と言う事で悩む事は、ほとんどなく「弱視」や「日焼け」と言った本来のアルビノの症状だけをケアしていればいいと言うお話を聞いて「日本は見た目問題に関して言えば昔のまま、ほとんど変わってない国」だと思いました。
全てとは言いませんが海外に行けば、本当に多くの人種の方が共に暮らしています。
アルビノの私が街を歩いていても、特にジロジロ見れる事もありません。
日本も少しずつ見た目問題を知っていただき「みんなちがっていい」と言う思いになっていただき、見た目だけで差別すると言う社会をなくしてほしいと思います。
そのために、いま私たちには何が出来るのか?日々考えています。